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2018年07月14日

  閑散としたギルドの受付、静まり

  閑散としたギルドの受付、静まり返った訓練場。元マスターが十年ほどの記憶を失ってしまった、世界最大ギルド“月の光”は、これまで見たことがないほど静寂に包まれていた。×××× ×××××××××××××「………………」 戦争を四日後に控えたサキカは、自室のベッドに横になって、身を休めていた。 学園襲撃事件から、十数時間が経過している。体力も魔力も消耗しきったサキカは、同じ帝である光帝に支えられ、ギルド"月の光"へと戻った。すぐに彼女の手によって自室まで連れていかれ、最後の気力を振り絞って自力で着替えベッドに倒れこみ、──そして今に至る。 ベッドに倒れこんだ途端、サキカは意識をうしなったのだろう。あれから長い時間が経過してことには、カーテンの隙間から覗く燦々と地を照らす太陽の姿を見て気が付いた。 本来ならば、寝ている場合ではないはずだ。しかし、起き上がろうとしたサキカを襲ったのは、強烈な眩暈。増血剤を飲んで渋々横になったが、原因は魔力の使い過ぎであろうか。 とはいえ、今のサキカは魔力を封印していない。……そう、全く。 魔力を消耗しているとはいえ、そろそろ封印するか結界を張るかしなければ、ギルド内だけではなくギルドの外にいる者にまで悪影響を及ぼしてしまうであろう。しかしながら、今魔力を十分の一にする封印を施しても、今の魔力量の十分の一になるだけである。それでも施さないわけにはいかないが。「××××××××××……」 自分で発音しながらも聞き取れないその音は、古代語。長い詠唱を唱え、魔力を十分の一にまで封印すると、サキカはゆっくりと立ち上がった。.  


Posted by James Bond at 19:08Comments(0)