2018年02月16日

「ざぎが~」  声をか



「ざぎが~」


 声をかけただけというのに、レイトは泣き出した。無意識に彼を泣かせてしまったらしい。

 どうすればよいのかわからず、困り果ててガイアに視線を向けようと 日本樓 按揭 ると、レイトが飛び付いてきた。

 思わず反射的に避けてしまう。鈍い音がして、レイトが床に飛び込んだ。

 レイトは打ったのか鼻に手を当ててうずくまる。痛そうだ。幸い血は出ていないようで、サキカは安堵した。


「ご、ごめんね。大丈夫……?」


 しかし、よくあることなのか、無情にもガイアたちは彼に構うことなく歩みを進める。


「サキカ、行くぞ」


 ガイアがサキカの肩に手を回してきた。


「れ、レイトは?」

「ほっとけ」


 彼らの距離感は、まだつかめない。しかし、ガイアがそういうなら、放っておいても大丈夫なのだろう。

 躊躇しつつもガイアの力に逆らわず、サキカは有舞たちと共に廊下を進んだ。


 情けない声が、後ろから追ってくる。派手な足音と共に、魔力と気配が近づいてきた。

 ちらりと後ろを見れば、レイトが駆けてくる姿が見える。サキカは小さく苦笑を漏らした。


 ──サキカたちがたどりついたのは、一つの魔方陣だった。ロビーの隅にある階段の隣の床に大きく描かれていた。


「転移魔方陣……?」


 見慣れたそれに、サキカは小さく呟いた。



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Posted by James Bond at 13:08│Comments(0)Travel
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