2018年03月13日
××××××××××× 帰ってきた有舞
帰ってきた有舞 cosderma 入れ違いでリリスが教室をでる。
「……」
リリスは大きく息を吸い、吐き出した。
そして闘技室のドアを叩く。
コンコンコン
「入ってくれ」
ロードの低い声が帰ってくる。
リリスはドアを開け、闘技室に足を踏み入れた。
正面に仁王立ちしたロードが目に入る。
リリスは振り返ってドアを閉めるといつも被っているフードを外し、頭を垂れた。
「――宜しくお願いします」
フードを外したのは、ロードに対する敬意を示すため――
そう、リリスが獣人と知っていながらも公平に扱ってくれたロードに……。
先生でも差別をせずに獣人を公平に扱ってくれるという者は少ない。
だからこそ少しでも敬意を示したかったのだ。
ロードがそれに気が付いたのかは定かでは無いが、ほんの少しだけ笑んだように見えた。
「さて、テストを始める。魔武器を召喚して構えろ」
リリスは軽く頷く。
「【ローズ】」
左腕に魔導書【ローズ】を喚び出した。
リリスはこの魔導書をサキカから貰って以来、毎日毎日特訓をしてきた。
先生に頼み闘技室を練習のために開けてもらい、【ローズ】の守護精霊であるロゼリーヌに指導をしてもらった。
……小さい頃から弱い自分が嫌だった。
魔力が少ない自分が恨めしかった。
捨て子である自分がクローネ家に拾われたのはもう十年以上昔のこと。
実の親を知らぬリリスはクローネ家でたっぷりと愛情を受けて育った。
愛情をくれた育ての親の二人に恩返しをしたいと思うのは当然のことであった。
しかし力も無ければ頭も良くない自分に何が出来るのか。
……結局、未だに二人に何も返せれていない。
だが、リリスにチャンスが訪れたのだ。強くなるチャンスが。
――ガイアがリリスの封印を解いてくれた。
サキカが魔導書をくれた。
二人が……強くなるチャンスをくれた。
だから、特訓を始めたのだ。
強くなれるなら、
強くなってギルドで働いて、
親孝行をしたい――
その一心で……
."
「……」
リリスは大きく息を吸い、吐き出した。
そして闘技室のドアを叩く。
コンコンコン
「入ってくれ」
ロードの低い声が帰ってくる。
リリスはドアを開け、闘技室に足を踏み入れた。
正面に仁王立ちしたロードが目に入る。
リリスは振り返ってドアを閉めるといつも被っているフードを外し、頭を垂れた。
「――宜しくお願いします」
フードを外したのは、ロードに対する敬意を示すため――
そう、リリスが獣人と知っていながらも公平に扱ってくれたロードに……。
先生でも差別をせずに獣人を公平に扱ってくれるという者は少ない。
だからこそ少しでも敬意を示したかったのだ。
ロードがそれに気が付いたのかは定かでは無いが、ほんの少しだけ笑んだように見えた。
「さて、テストを始める。魔武器を召喚して構えろ」
リリスは軽く頷く。
「【ローズ】」
左腕に魔導書【ローズ】を喚び出した。
リリスはこの魔導書をサキカから貰って以来、毎日毎日特訓をしてきた。
先生に頼み闘技室を練習のために開けてもらい、【ローズ】の守護精霊であるロゼリーヌに指導をしてもらった。
……小さい頃から弱い自分が嫌だった。
魔力が少ない自分が恨めしかった。
捨て子である自分がクローネ家に拾われたのはもう十年以上昔のこと。
実の親を知らぬリリスはクローネ家でたっぷりと愛情を受けて育った。
愛情をくれた育ての親の二人に恩返しをしたいと思うのは当然のことであった。
しかし力も無ければ頭も良くない自分に何が出来るのか。
……結局、未だに二人に何も返せれていない。
だが、リリスにチャンスが訪れたのだ。強くなるチャンスが。
――ガイアがリリスの封印を解いてくれた。
サキカが魔導書をくれた。
二人が……強くなるチャンスをくれた。
だから、特訓を始めたのだ。
強くなれるなら、
強くなってギルドで働いて、
親孝行をしたい――
その一心で……
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Posted by James Bond at 01:55│Comments(0)
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